06:自転車通勤のためのバッグ

beruf baggageのバッグ作りのインサイドストーリーを探るインタビュー第三回目のテーマは「通勤・通学のバッグ」についてお伝えします。自転車乗りのアイディアやフィードバックを取り入れたバッグを作ってきたberuf baggageでは、サイクリング時はもちろん、電車や徒歩でも違和感なく使用できるシンプルな外観だけど機能的にデザインされたバッグを展開しています。通勤・通学用のバッグを作るキッカケやこだわりなどを訪ねてみました。

ブランド開始から貫いているコンセプトは、サイクリング時に妨げにならない自転車乗りのためのバッグデザインとのことですが、より自転車通勤を意識したバッグを作ることになったキッカケはありますか?

ブランドとともに自分自身が年齢を重ねてきたことと、結婚して子供が生まれたことをきっかけに、東京から地元である埼玉へ引っ越したことがきっかけです。自宅からちょうど10kmの距離にターミナル駅があるので、そこに自転車を置き、残りを電車でというスタイルが多く、往復で1日20km、時間にして約1時間の自転車移動は簡単なエクササイズにもなりますし、仕事と自分の時間を切り替えるスイッチのような役割も兼ねる時間となりました。なので自然と、自転車での背負い心地はもちろん、電車移動の際の使い勝手、そしてビジネスシーンにもしっかりと溶け込みながら、機能的で使い心地の良いアイテムの必要性をすぐに感じました。

ご自身の通勤を通して通勤・通学のバッグをデザインするようになった上で、どのような自転車通勤・通学を提案していきたいと考えていますか?

一言に通勤・通学といっても、個々のスタイルがあるので一概にはいえませんが、デザイン的な部分で常に考えているのは、主張しすぎない範囲で、個性をさりげなくアピールできるものであるということです。特にビジネスシーンではここ数年でブリーフケースと共に、バックパックという選択肢が定着してきたように感じています。自転車通勤・通学を快適にしてくれるアイテムと、快適なスタイルを許容してくれる社会的な風潮も増してきているところですので、ぜひ積極的に自転車を活用して欲しいですね。実益を兼ねつつ、これほどお手軽なエクササイズ体験は他にないと思いますし。

「Urban Commuter」(UC)シリーズの2WAYトーバッグ「UC 2WAY TOTE BAG」を通勤時のメインバッグとして使用する。大型のメッセンジャーバッグのように背負うことができるため、自転車乗車時のホールド感が抜群。

自転車を降りた後、電車に乗るときや徒歩での移動の際は、手持ちのトートバッグとして使用。この状態では自転車向きとしても作られているバッグとは見えずに、ビジネスバッグとしての存在感に。

beruf baggageでこれまで提案してきた2つのバッグタイプ、メッセンジャーバッグとバックパック。通勤などのシーンでは、どのように使い分けをすることが考えられますか?

服装と、乗っている自転車のスタイルがポイントになると思います。スーツスタイルやジャケットスタイルには間違いなくバックパックをおすすめします。メッセンジャーバッグは斜め掛けでの使用が前提になるので、どうしてもスーツやジャケットのシルエットが崩れてしまいます。もちろん仕事上、カジュアルな服装がOKという方はメッセンジャーバッグでも全く問題無しです。

ライド時に前傾姿勢になる自転車に乗っている場合はメッセンジャーバッグの良さが活きてきます。前傾姿勢になることでバッグ全体を背中で背負うことができるので荷重が分散されますし、荷物の取り出しという点ではバックパックよりも格段に便利です。このあたりをポイントに、ご自分のスタイルに合うモデルを選んでいただければ良いと思います。

通勤使用時の「UC 2WAY TOTE BAG」内の荷物はこちら。大容量バッグのため、ビジネスシーンで必要な荷物だけでなく、アフタービジネスとして帰りに立ち寄るジムで必要な荷物も収納している。15inchまで収納可能なPCスリーブが装備されているので、PCはそのまま収納。

通勤で使用している自転車は、“街で自転車をスマートに乗る”がコンセプトのブリヂストンサイクルが展開する「HELMZ」の多段変速モデル。

軽めの前傾のポジションが取りやすいブルホーンハンドルバーのため、メッセンジャーバッグのように背負える「UC 2WAY TOTE BAG」との相性も良い。実用と見た目を考慮して、ブレーキなど少しのカスタマイズを施している。

ところで、ウェアやバッグを含めた装備品以外の要因で、皆が自転車通勤・通学をするために、しやすくなるために、何が必要かと思いますか?

まずはインフラ整備が欠かせませんよね。僕も駅の駐輪場を利用していますが、場所によってはしっかり整備されていないところがまだまだあると感じています。打ち合わせのため自転車移動するときに、近くに駐輪場が見当たらずに困ることが良くあります。自転車を身近な交通手段として活用していくために、行政には規制と同時に環境の整備にも力を入れていって欲しいと思います。

それから、僕も含めた自転車ユーザー側にもルールとマナーの理解と順守が求められます。インフラ整備とルール・マナーの周知徹底が進めば、より快適な環境ができると思うので、この辺りを意識してみると少しずつでも良い方向に向かっていくのではないでしょうか。

自転車通勤が快適になるには、まだまだ課題はありますが、お伝え頂いたように仕事と自分の時間を切り替えるスイッチのような役割や、リラックスできる時間になったりとメリットもたくさんあるのが自転車通勤なので、バッグがキッカケの一つとして自転車通勤のシーンを広げてくれる要素になることができるかと思います。
最後に、これからberuf baggageとして、通勤・通学をするサイクリストに向けて予定している商品、提案していきたいことなどがありましたら、公開できる範囲で教えてください。

2016AUTUMNコレクションから本格的にスタートした「Urban Commuter」(UC)シリーズは、ブランド設立から10年の節目を迎えるにあたって、これまで蓄積してきたノウハウを全て注ぎ込んだ、beruf baggageならではのビジネスバッグを提案しています。

また、定番として展開してきた「Comfort & Functional」(CF)シリーズも、新たなアプローチを試みながら、より都会的で洗練されたコレクションへとバージョンアップしています。どちらも、通勤・通学に必要な「機能性」と「快適性」を内包しながらシンプルな外観に仕上げたデザインがポイントになっています。

普段の服装に違和感なく溶け込みつつ、遠目からでもさりげなく主張する、新しいberuf baggageのアイテムをぜひご覧ください!

自転車通勤を実践されてきた人たちをさらに快適に、または今まで自転車通勤を取り入れて来なかった人のキッカケになるよう、バッグを通した提案を楽しみにしています。ありがとうございました!

佐野賢太(さの けんた)1980年7月9日・埼玉県生まれ。
beruf baggageデザイナー。2006年に同ブランドを立ち上げ、メッセンジャーバッグ3アイテムからスタートし現在に至るまで、自転車のライフスタイルを提案するようなバッグを中心としたアイテムを提案する。趣味はサーフィンと音楽と自転車通勤。

著者・プロフィール

石川 望(いしかわ のぞむ)
自転車雑誌「Bicycle Magazine」の編集長、「Bicycle Navi」の編集に関わった後、自転車と写真をテーマとした「Bicycle Photo Magazine」を立ち上げた編集者兼フォトグラファー。国内外の自転車シーンや旅の写真撮影、ワークショップの講師など、自転車と写真・カメラに関係するアクションや、アウトドアやアパレルブランドの撮影や商品テストなどに関わる。

HP:http://nozomuishikawa.tumblr.com/
Instagram:nozomui

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